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ファシリテーターのチャレンジとは

 マシュマロリバー(島渡り)という人気ベスト3の活動があります。

 

なぜか、お菓子のマシュマロ製のマット(40cm角)を使って、島渡りをする

というファンタジーとアドベンチャーの映画のような設定の活動です。

 

このマットは2つの特徴があります。

 

1つ目、世界一傷つきやすい! だからやさしくあつかってほしい。

2つ目、世界一寂しがり屋さん だから24時間いつも誰かが触っていてほしい。

 

 

バランスを崩し、指1本でも海に体が触れれば、全員ふりだしに戻ります。

マットを乱暴に扱うと、傷ついて消えてしまいます。

マットに誰も触っていない時間が1秒でもあれば、涙で溶けて消えてしまいます。

 

 

このマットを使って、島Aから島Bに移動します。

島の距離は10mほど マットの枚数は3人に2枚。

マット1枚に、足が3本乗ることになります。

 

活動始めると、ミスの連発でマットは潮に流され、あっという間に半分になります。

開始10分で「お願いします!」、全員で泣きのリセットを申し出ることになります。

ここで、スタート時の枚数をそのまま返しません。

 

マットは、1枚につき足が4本となるように計算します。

例えば、15人チームなら、最初はマット10枚です。

リセット時には、30本÷4本=7.5 8枚となります。

 

これは片足立ちで2人が同じマットに乗つている状態で、

想像してもかなり厳しいバランスです。

 

この状態で前に進むためには、最後尾のマットを回収し

先頭へマットを送り、1歩づつ進めるしかありません。

 

活動中、1枚のマットに片足立ちの3人が乗ることが必要になります。

参加者にとっては、かなり厳しい条件でまさにチャレンジです。

 

こんな厳しい設定で活動する意味はあるのでしょうか?

わざわざ達成できないような厳しい設定にする意図はなんでしょうか?

 

 

私は、参加者が課題を達成することを、活動の目標にはしていません。

 

この日の活動の目的は「クラスでの仲間づくり」としています。

具体的には、みんなと一緒に課題解決に取り組み仲良くなる、を目指す。

 

「マジで」、「みんなと」、「安全に」、「話す」、「聞く」

 

この5つの行動を1秒でも長く続けることで、仲間づくりにつなげようとしています。

 

 

5つの行動を集中して取り組んでいる時間を提供するのが、FTのチャレンジなのです。

 

 

思春期の子ども達が真剣に、しかも男女で協力して活動するのは難しいです。

それでも最高に集中している時間を作り出すことにチャレンジしています。

 

 

そのためには、難しい設定条件で活動することがとても大切なのです。

 

 

片足立ちの3人が1枚のマットに乗り、マットを回収しながら進む。

手をつなぎ 肩を支え合っていないと前には進めません。

ましては最後尾のマット回収は、2人で協力しても失敗するほどに難しい。

 

 

これぐらい厳しい条件だから、ドキドキ ハラハラします。

 

 

ドキドキするから、時間を忘れるくらいに楽しいのです。

 

 

ハラハラするから、パッと手が出して仲間を助けます、支えます。

 

 

本気で活動するから、「ありがとう」を自然に言えます。

 

 

本気で達成したいと思うから、会話が活発になります。

 

 

・5つの行動目標を生徒たちに求めるのであれば、FTは挑戦しなければなりません。

 

・厳しい設定でも「やってみたい!」という気持ちにさせる。

 

・子ども達の力を信じて、必死に子ども達の活動を応援し、鼓舞する。

 

・子ども達が自ら、声を出し、励まし合えるように声を掛け続ける。

 

・小さなチームプレイを見逃さずに発見し、「ナイスプレー」と声掛けをする。

 

・安全管理の最後の砦として、パッと動けるようにスタンバイする。

 

・小さな発言・行動も見逃さずに、子ども達の心の動きを観察し続ける。

 

 

生徒のチャレンジにFTも一緒に向き合い、必死に応援し、声を掛け続けることは

 

FT自身のモチベーションを上げることにつながります。

 

黙っている時間が長くなるほど、応援する気持ちが低くなっていく。

 

声をかけ続けることは、FT自身が自らを鼓舞していることと同じである。